今回は、新しく地下鉄さっぽろ駅付近の地下スペースにできた「ミナパ」をご紹介します。
アイヌ文化を発信する空間「ミナパ」
「ミナパ」は、今年2019年3月に地下鉄南北線さっぽろ駅改札前にできた、アイヌの文化や歴史を発信する空間です。
全体は休憩スペースになっていて、ミニシアターやアイヌ伝統のアート作品を見て、気軽にアイヌ文化に触れることができます。
「ミナパ」について英文の説明もありましたので、引用してご紹介します。
Ainu Cultural Space “minapa”
案内板の説明より
“Minapa” means “crowds of people laugh” in Ainu.
This name encompasses our hope that every person who visits this space will have a smile on their face.
See how Ainu culture lives and breathes in the modern world.
適度な空間とテーブル席もあり、ゆったりと休憩できるスペースになっています。
天井には大胆に、アイヌ文様が描かれています。
シンボルの木彫りのシマフクロウ
シンボルのシマフクロウが、空間を見守るようにたたずんでいます。
このアイヌ文様を彫り込んだ木の上で羽を広げたシマフクロウは、アイヌの伝統を受け継ぐ、貝澤徹さんによる木彫りの作品で、天井に届くほど大きく力強い作品です。
木彫りの力強さは、昔道北の音威子府村の駅前で見た、アイヌの彫刻家「砂澤ビッキ」さんのトーテムポール「オトイネップタワー」や一連の作品を彷彿させます。
(2019/4/25追記)
札幌芸術の森美術館で、砂澤ビッキさんの大回顧展が開催されるそうです。
- 期間:2019年4月27日(土)~6月30日(日)
- 会場:札幌芸術の森美術館
アイヌ伝統のアート作品
メインシアターの近くのガラスケースには、アイヌ伝統の4つのアート作品が展示されていました。
詳しい説明は無く、理解するには想像力が必要です。
こちらは、ユニークな作品です。
タバコをくわえた魚!?がノートパソコンに向かっている木彫り作品です。
こちらは、伝統的なアイヌ文様が美しい作品です。
アイヌ独特の幾何学的模様で、対称と非対称が調和しています。
メインシアターの短編アニメ
訪れたときは、メインシアターで、アイヌに古くから伝わる昔話の短編アニメが上映されていました。
「からふとのおはなし オハチスイェ – 空き家の化け物」というタイトルで、少し怖くて不思議なストーリーでした。
このアニメは、YouTubeの「公益財団法人アイヌ民族文化財団」のチャンネルでも観ることができます。
チャンネルには、他の昔話やアイヌ文化の情報動画も登録されていますので、アイヌ文化にご興味のある方は、ご覧になってみてはいかがでしょうか?
「ミナパ」は、都会の人混みの中で、一息つきながらアイヌの文化に触れることができる空間でした。
来年2020年には、アイヌ文化発信の拠点として、民族共生象徴空間「ウポポイ」(アイヌ語で「大勢で歌うこと」)が白老町にオープンする予定です。
アイヌ文化の復興や漫画「ゴールデンカムイ」ブームで、ますます北海道は盛り上がりそうです。
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