「ミナパ」で街なかで気軽にアイヌ文化に触れる・木彫りの彫刻を見てアイヌの彫刻家「砂澤ビッキ」さんを思い出す(2019年4月・札幌)

アイヌ文化を発信する空間「ミナパ」 ぶらり札幌

今回は、新しく地下鉄さっぽろ駅付近の地下スペースにできた「ミナパ」をご紹介します。

スポンサーリンク

アイヌ文化を発信する空間「ミナパ」

「ミナパ」は、今年2019年3月に地下鉄南北線さっぽろ駅改札前にできた、アイヌの文化や歴史を発信する空間です。

全体は休憩スペースになっていて、ミニシアターやアイヌ伝統のアート作品を見て、気軽にアイヌ文化に触れることができます。

「minapa(ミナパ)」はアイヌ語で「大勢が笑う」という意味です

「ミナパ」について英文の説明もありましたので、引用してご紹介します。

Ainu Cultural Space “minapa”
“Minapa” means “crowds of people laugh” in Ainu.
This name encompasses our hope that every person who visits this space will have a smile on their face.
See how Ainu culture lives and breathes in the modern world.

案内板の説明より

適度な空間とテーブル席もあり、ゆったりと休憩できるスペースになっています。

天井には大胆に、アイヌ文様が描かれています。

地下鉄の改札を出てすぐの所にあり、移動の途中で一息つくことができます

シンボルの木彫りのシマフクロウ

シンボルのシマフクロウが、空間を見守るようにたたずんでいます。

このアイヌ文様を彫り込んだ木の上で羽を広げたシマフクロウは、アイヌの伝統を受け継ぐ、貝澤徹さんによる木彫りの作品で、天井に届くほど大きく力強い作品です。

貝澤徹さんによる、木彫りのシマフクロウ

木彫りの力強さは、昔道北の音威子府村の駅前で見た、アイヌの彫刻家「砂澤ビッキ」さんのトーテムポール「オトイネップタワー」や一連の作品を彷彿させます。

公式貝澤徹 – 二風谷アイヌ匠の道

砂澤ビッキ – Wikipedia

(2019/4/25追記)

札幌芸術の森美術館で、砂澤ビッキさんの大回顧展が開催されるそうです。

  • 期間:2019年4月27日(土)~6月30日(日)
  • 会場:札幌芸術の森美術館
終了:札幌美術展 砂澤ビッキ―風― | 札幌芸術の森
没後30年――風を彫った彫刻家・砂澤ビッキの大回顧展  
近くで見ることができ、木彫りの力強が伝わります
作品はニレの木でできていて、木のひび割れも作品の一部のように感じました

アイヌ伝統のアート作品

メインシアターの近くのガラスケースには、アイヌ伝統の4つのアート作品が展示されていました。

詳しい説明は無く、理解するには想像力が必要です。

これはアイヌの宝物(ほうもつ)でしょうか

こちらは、ユニークな作品です。

タバコをくわえた魚!?がノートパソコンに向かっている木彫り作品です。

作品のタイトルは「ぬし」です

こちらは、伝統的なアイヌ文様が美しい作品です。

アイヌ独特の幾何学的模様で、対称と非対称が調和しています。

アイヌ文様の織物(アットウシ)
機械仕掛けのサケ!?

メインシアターの短編アニメ

訪れたときは、メインシアターで、アイヌに古くから伝わる昔話の短編アニメが上映されていました。

「からふとのおはなし オハチスイェ – 空き家の化け物」というタイトルで、少し怖くて不思議なストーリーでした。

このアニメは、YouTubeの「公益財団法人アイヌ民族文化財団」のチャンネルでも観ることができます。

チャンネルには、他の昔話やアイヌ文化の情報動画も登録されていますので、アイヌ文化にご興味のある方は、ご覧になってみてはいかがでしょうか?

空き家の化け物 – オハチスイェ – アイヌ語音声日本語字幕

アイヌ語音声・日本語字幕で、アイヌの昔話のアニメーションが上映されていました
「オハチスイェ – 空き家の化け物」は、謎の化け物オハチスイェと祈祷師トゥスクフの戦いのお話です

公式公益財団法人アイヌ民族文化財団 – YouTube

「ミナパ」は、都会の人混みの中で、一息つきながらアイヌの文化に触れることができる空間でした。

来年2020年には、アイヌ文化発信の拠点として、民族共生象徴空間「ウポポイ」(アイヌ語で「大勢で歌うこと」)が白老町にオープンする予定です。

アイヌ文化の復興や漫画「ゴールデンカムイ」ブームで、ますます北海道は盛り上がりそうです。

公式ミナパ – 札幌市

コメント

タイトルとURLをコピーしました