<4日目、2000年5月2日> 三崎口、城ヶ島

城ヶ島 赤羽根崎 江ノ島・三浦半島の旅 2000年

 4日目。6時起床。曇り。Tシャツでは少し肌寒い。

 湯を沸かしている間にフライシートを収納する。 2回目なので慣れた手つきで、雑巾を用いフライの夜露をふき取り、手早く取り込む。いつも通り食事はインスタントラーメン、魚肉ソーセージだが、今日は、宿で仕入れたティーパックのお茶付きである。

 電子メールをチェックしようとノートパソコンを起動 してみるが、バッテリーが無く、1分で強制シャットダウン。使いものにならない。

  昨日の道具の確認でロウソクが不足していることがわかっている。昨日、ビールを購入した商店でロウソクを見かけたのを思い出した。いまどき太いロウソクを販売している店は珍しい。早速レシートの番号に電話をかけ開店時間を聞く。出発はその時間8時とした。

 それまでに装備の状態をチェック。まずは財布(笑)。残金約2万円。出費はあと食費と、バス・JR移動代、残り一回の宿泊費だが、なるべく無駄遣いを減らさねば。あと、床に敷いているアルミ蒸着スポンジシートに破れがあった。小さく丸め用意してあったガムテープで補修しておく。今の所、道具の破損、紛失はこの程度だ。妹は前回の沖縄旅行で4アイテム紛失したそうだ。

 8時になったので移動開始。昨日利用した商店でロウソクを購入。太いロウソクの購入で店主もピンときたのか、こちらが野宿をしていたことを察し、「本当は、あの公園でのキャンプは条例違反だよ」と やんわりと教えてくれた。葉山御用邸に隣接しているのでごもっともだ。

 そのまま国道134号線を歩いて「長者ヶ崎」に向かう。地図で確認すると2km程の距離だ。着いたはいいが、周囲が立入禁止ばかりで良い写真が撮れない。せっかくの神奈川名所50選も台無しだ。

長者ヶ崎の風景。 夜景がきれいだそうだ

 9時頃、横須賀市入り。天気はあまり良くないが、湿度が高く蒸し暑い。Tシャツ一枚になりたいところだが、北海道の旅を想定しているので今まで通り服装は、Tシャツ2枚、スポーツウェア、フリースの重装備だ。 とりあえず「三崎口」を目指しバスに乗る。乗り換えを2回繰り返し、城ケ島までの中間点、三崎口にたどり着く。さらに城ケ島行きのバスに乗り「城ケ島大橋」手前で下車する。江ノ島上陸の時と同じように、歩いて島に上陸するためだ。

「三崎口駅」で城ヶ島行きに乗り換える
「城ヶ島大橋」手前でバスを下車する
大橋から、城ヶ島を望む

 10時半頃上陸。ロードマップを頼りに島内をまわる。地図ではわからなかった高低差に疲れ、膝が笑い出す。この頃から、天気も良くなり、日差しも強くなる。

 途中で「城ケ島ユースホステル(YH)」を見つけた。このYHは2週間前に予約の確認をしたが満室で、予約ができなかった宿である。オーナーの話では、この季節は毎年早くから、団体の予約で埋まるらしい。横目で見ながら先に進む。

予約を逃がした、「城ヶ島ユースホステル」

 まずは名所である、島東部の「安房崎灯台」を目指す。灯台は下の岩場にある。手前の「城ケ島公園」で程良い芝生を見つけるが、すぐとなりにある「キャンプ禁止」の看板がこちらを睨み付ける。

島の1/4を占める「城ヶ島公園」。キャンプは禁止だそうだ

 さらに灯台方向に進む。この海岸は岩場がほとんどだが、所々、芝生地もある。ここで思わぬものを発見する。一人用と思われるドーム型テントが目に入ったのである。今回の旅で始めての目撃である。うれしくなり、駆け寄って挨拶をし、話を聞いてみる。キャンパーは40歳位の男性であった。横浜から来て、土曜日からここにテントを張っているとのこと。短い挨拶をすませ、再び灯台を目指す。

初のキャンパーを発見

 すぐに灯台にたどり着き、回りの風景とあわせ写真を撮る。釣りをしている人ほとんどだ。人に野宿旅です、と答えると必ずといっていい程、釣りもするんですかと聞かれる。そのうち釣りも趣味に加えようか。

 そろそろ休憩と食事をしたいので、もと来た方向に戻る。観光バス駐車場のあたりに食堂を見つけ、道路工事の方々に混じり、一緒に食事をとる。

島の東端、「安房崎灯台」をみる

 食堂のテレビで、GPSの精度向上のニュースを報じていた。アメリカ政府が今まで、敵対国に高精度の位置情報を与えないように、わざと加えていた精度を落とすスクランブル信号を、今後停止するとのことだ。(アメリカ軍のみは、スクランブル信号を解除できていた)これにより民生品のGPSでも誤差が100メートルから10メートルになるそうだ。キャンプ雑誌を見るとハンディGPSの広告をよく見る。自分もハイテク製品に興味があるので、メリットがあれば今後購入するかもしれない。

 食後、女将さんにテントを張れそうな場所を聞くが、あっさりと「島内はキャンプ禁止ですよ」とつれない返事が返ってきた。食堂を後にし、「北原白秋記念館」に寄り、猫と時間をつぶす。そこで配布していた地図をよく見ると、島の南西部の「赤羽海岸」が砂の海岸であることがわかった。コンビニ(たぶん島内唯一だと思うが)を見つけビールを買い、移動を続ける。しかし、実際に移動してみると、高低差が激しく、道がわかりにくい。さらに、農道に迷い込み、迷子になりそうになった。しかたなく安房崎前の城ケ島公園に戻る。この間2時間。疲れた。日陰に移動し、日が和らぐまで、今までのレポートをまとめることにした。

「赤羽海岸」近くまで来るが、このあと迷子になる

 先ほどのキャンパーの数十メートル離れたところに、程良い芝生があった。海風と、潮の満ち引きの影響が気になるが、今日の野宿候補地とした。昼食時の観光バス駐車場で、水も確保してある。後は海岸に移動するだけだ。ここまでで、17時。

  海岸に移動し、満潮でも水に浸からないことを確認し、風の吹く向きに気を付けテントを設営した。 あまり空腹感もないので夕食は抜きとする。明日の移動は、島の東西を横断しているバスを利用することにしよう。

 夜に激しい雨が降ってきた、野宿で始めての雨なので多少緊張する。雨粒がテントのフライシートに当たり弾ける音が心臓に悪い。更に今夜は風が強くロウソクの減りも早い。だが、新しいロウソクを用意していたおかげで、明るく長い夜を過ごせた。

数少ない芝生にテントを設営した

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