<1日目、2000年4月29日> 大船(自宅)→江ノ島-由比ヶ浜

江ノ島大橋 江ノ島・三浦半島の旅 2000年

 6時起床。外の天気は快晴だ。

 軽くシャワーを浴び、ゆっくりと、予め作成しておいたリストに従って道具類をバックパックに詰めてゆく。底から順に詰めてゆくが、予想外に体積を取り、すぐに90リッターのバックパックがいっぱいになってしまった(実は詰め方にもルールがあることを、後で知った)。多少荷物がはみ出し気味の状態で無理にファスナを閉じ、一応準備は整った。

 8時。ついに旅の始まりである。元気よくスタートしたい所だったが、一つ問題が あった。一週間程前から原因は不明だが右足の付け根辺りに痛みがあり、普段からも足を引きずる状態であった。 普段、自宅から駅まで徒歩12~13分程度の所を、足の痛みと荷物の重さから、20分以上もかかってしまった。

 まずはじめの移動は、徒歩で駅まで移動。その後、JR大船駅に隣接する湘南モノレールで一気に「湘南江ノ島駅」に移動する。所要時間は約15分。すぐに潮の香りがする浜辺付近に到着した。

湘南モノレール 大船
湘南モノレール大船駅。ここから旅は始まった

 だが、すぐには江ノ島上陸はせず、駅付近の「龍口寺」に向かった。ここは、以前テレビで江ノ島、富士山を一望できるスポットとして紹介されていたためである。 見晴らしが良いと言うことは、すなわち高台ということである。重い荷物をかつぎ石段を登り切ると、ちょっとした空き地にたどりついた。確かに簡易展望台はあった。 天気も良いことから、眺めもよく、紹介通り富士山、江ノ島が一望できた。知っている人も少ないだろう。私からも、見晴らしがよいスポットとしておすすめしたい。

龍口寺
石段を登り、左手の空き地に向かう
富士山
簡易展望台からの景色。富士山、江ノ島が遠くに見える
龍口寺 展望 富士山
龍口寺、簡易展望台

 山登りで一汗かいたので、龍口寺をあとにし、付近のコンビニでビールを購入。アルコールを味わいながら、海岸までゆっくりと移動した。 すぐに海岸、小動(こゆるぎ)に出て、海沿いに腰越(こしごえ)付近まで移動した。

 朝食を取っていないので近くのマクドナルドでハンバーガーを購入。 浜辺の階段付近で、遅めの朝食を取り始めた。2個のバーガーを食し、3個目のバーガーを袋から取り出した瞬間だった。数羽のカラスが一斉に飛びかかってきて、袋ごとバーガーをさらっていったのである。こちらが食事に夢中になっている間に、野生のカラスに取り囲まれていたのだった。 散乱したバーガーを数羽のカラスがあさっているのを、どうすることも出来なく、ただ呆然と見ているしかなかった。 自然の厳しさを妙なことで思い知ることとなった。

 その後すぐに、江ノ島大橋を渡り、江ノ島に上陸した。

江ノ島大橋
江ノ島大橋より

 江ノ島の標高は60メートル。また登り階段である。 どこにでも商魂がたくましい人はいるもので、江ノ島でも同様である。頂上までのエスカレーターを「エスカー」という名で、運転しているのである。たかが数百円の運賃だが、バックパッカーは精神、肉体ともタフで無ければならないという信条のもとに、エスカーおばさんの呼び込みを無視し、一路頂上へ向かった。 途中、サザエの壷焼きの香り、アルコールの魅惑に負けそうになったが、これも無視し頂上へ登り切った。

富士山
登頂途中の景色
江ノ島 エスカー
江ノ島名物?「エスカー」

 頂上をぬけ、岩場に降り立ち休憩とした。 家族づれ、カップルが多かったが、気にせず横になり、1時間ほど疲れをいやした。

macpac マックパック
岩場で休憩

 昼も13時を回り、小腹も減ったので、戻りのコースの途中で昼食とした。どこも同じ様な店構えであったため、雑誌「ぴあ」で紹介されていた「魚見亭」とした。 テラスで食事が出来るのが売りらしい。残念ながらテラス待ちの客が多かったため座敷での食事とした。

 食事も終わり、14時半ごろ江ノ島を出発。 再び片瀬東浜海岸で休憩。フリスビーをしているカップルやカイト、ウインドサーフィンを眺める。20歳の頃も、同じようにして過ごしたことがあったことを思い出しながらゆっくりと時間を楽しんだ。

江ノ島 カイト
昔を思い出すカイト

  その後、海岸沿いの国道134号線を、最初に来た小動に向かって歩き江ノ電の駅、腰越から電車に乗り込んだ。本日の野宿予定地、由比ヶ浜に向かうためである。 腰越から長谷(はせ)まで約20分。ゴールデンウィークのせいか、かなり混雑していた。こちらは、大きなバックパックを背負っているため、全く身動きがとれない。やはり小回りが利くように、装備の少量化、軽量化をしなければいけないようだ。

 長谷駅下車後、由比ヶ浜、材木座海岸を見て回る。時計を見るとすでに時間は17時近くになっていたため、本日の野宿地を探すこととした。

 野宿はテントを張ることになるが、テントを設営するにも多少の注意、テクニックが必要だ、まずテントはアルミ製の骨組み及び、本体のシート、その上に本体を夜露、雨から保護するフライシートから成り立っている。本体のシートは骨組みにより自立するが、フライは周囲を4~8カ所程度をペグ(くぎ)で固定する。そのような理由から、自然にペグを打てる、しっかりした地面が必要となる。 由比ヶ浜、材木座海岸双方とも砂浜なためフライシートを固定できない。また海岸付近は海風が強く、これもフライの固定の妨げとなる。

 日が暮れるまで、本日分のWebページ原稿の作成と、野宿地候補探しを行った。 結果、由比ヶ浜沿いの海浜公園を野宿地とした。適度な堅さの芝生があり、海風のも影響ない。また、水道、トイレ、自動販売機まであるベストポイントである。

HP200LX
大学ノートとPalmtop PCを使用してWebページの原稿を作成する
夕陽
そろそろ野宿地の決定をしなければいけない

 野球少年が帰るのを見届け、早速テントの設営を行った。今回持参したテントは、モンベル製の「ムーン・ライト1」である。名前が示すように月明かりの下でも設営可能なベストセラー・テントである。設営は初めてなので多少手こずったが、無事10分程度で完了した。

野宿 テント
テントの設営も無事に終了した

 日が落ちるまでに多少時間があったので、公園を見て回った。公園の端にホームレスのテント(?)が数個あり、ここで生活をしている様であった。やはり、野宿のプロ、ホームレスが居座るくらいであるから、この場所はテント設営に適していたようである。

テント
ホームレス?

 今はテントの中でこの文章を仕上げている。始めての、バックパッキング、野宿は足の痛み、カラスの洗礼等があったが問題なくやり過ごせた様ある。

 ウェブサーバにこのデータをアップロードして、本日の作業は終了である。

 今日は暖かいのでシュラフは不要であった。

野宿
初めての野宿は無事に終わった

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