<1日目、2000年6月1日> 大船(自宅)→千歳→札幌

札幌 小樽 JR 快速エアポート 北海道の旅 2000年
神奈川県大船から札幌へ
地元の神奈川県大船から北海道の札幌へ

 最近どうも旅行運に恵まれていない。特にスタート時の不具合が多い。前回の「江ノ島~三浦半島の旅」と同様、旅の出発直前からまた足が痛み出した。前回は旅の楽しさから気が紛れ、途中痛みに悩むことは無かったが今回は痛みがさらに激しい。

 5時起床。昨晩降っていた雨はどうやら止んだようだ。いつも通りチェックリストに従いバックパックに荷物を詰めていく。慣れている作業とはいえ種々の道具を、取り出しやすさを考慮しながら入れるのは意外と時間のかかるものだ。今回もバックパックから少し荷物がはみ出しぎみの状態で旅をスタートした。

 地元、大船駅バスターミナルからは都合よく、羽田直通の「江ノ電バス」が出ている。JR及び、モノレールを使わなくても空港まで約1時間で行ける大変便利なルートだ。今回、羽田からの飛行機の利用は7年ぶりになる。「ビックバード」と呼ばれるようになって訪れるのはもちろん初めてであり、搭乗までの手順もすっかり忘れている。ほとんど初心者状態なのですべての行動は1時間以上の余裕を心がけた。バス待ちの1時間はさすがにやることもなく暇を持て余したが、空港出発の2時間の余裕は意外な所で役にたった。バスで移動途中、運転手からアナウンスがあった「天皇陛下の移動のため30分の交通規制になっています」というものだ。周りの人々はざわめくが、こちらは2時間以上もの余裕があるので焦りは少しもない。結局50分以上の遅れで羽田到着となり、ほとんどの人はあわてた様子で搭乗手続きカウンターへ向かっていった。

藤沢、大船から出ている羽田直通の「江ノ電バス」

 到着後、とりあえずチケットの入手をすることにする。初めてのインターネットでのクレジットカード決済に多少の不安があったので、万が一のことを考え早めに航空券発売機で発券処理をしてみる。手続きは、まことに簡単で、したことといえばクレジットカードを挿入口に入れたくらいだ。ボタン一つ押さずに無事チケットを入手できた。さすがにチェックインにはまだ早いようなので、とりあえずお金を掛けずに楽しめる展望デッキ(バードアイ)に行ってみる。世の中は平日ともあって空港自体、すいているようだ。展望デッキも人はまばらで、一番眺めが良さそうな場所を独占し迫力有るジェット機の離発着にしばし感動する。まだ時間が余るのでショッピングモール全体を見て回る。レストランや有名デパートの支店ががゆったりとしたスペースに入っている。おいしそうなメニューが並ぶが、あえて昼食は取らないでおく。今日宿泊する札幌の親戚の夕食に期待しているからだ。

平日のため人影はまばらだ
航空券発売機と格闘する(必要は無かった)
展望デッキ(バードアイ)からの眺め

 チェックイン可能時間がきたのでカウンター付近に行ってみる。周りの人をマネし、搭乗手続機でチェックインし、バックパックを手荷物専用カウンターで引き渡した。バックパックにじゃらじゃらとぶら下げた鍋や、丸めて背中縛り付けておいたアルミ蒸着スポンジシートは搬送中に外れる可能性があるので、別の手荷物扱いとなった。このような荷物を預けるのは、そうそういないようだ。出発15分前になって搭乗待ちの人の列が進み出す。無事に金属探知機を通過し、指定の席へ。座席はちょうど右主翼の隣であった。ちなみに自分は飛行機部品製造会社に勤務している。日頃携わっている翼やエンジンの動きが手に取るようにわかる非常に良い席にめぐり合わせた。

今日搭乗するANA063便
主翼付近に首尾良く座席を確保した

 出発は定刻通りスムーズに進む。ジェット機はあっと言う間に雲の上まで上昇し、地表はミニチュア模型の様に小さくなった。フライト中はWebページの文章を整理し時間をつぶす。「新千歳空港」までのフライトは正味1時間15分ほどだ。文章を校正している間にもう着陸体制に入っている。先ほどまでのビル群のミニチュアが、山や畑に変わりだした。やっと北海道に近づいている実感がわいてくる。

 無事に着陸。札幌の気温21度、天気雨がぽつりぽつりと降っている。意外と皆薄着で服装は地元横浜とたいして変わらない。取りあえず「JR札幌」駅までの足を探す。JRよりも移動時間はかかるがバスの方が料金は安い。余り急いではいないので迷わずバスに乗り込む。さすが空港都市千歳といえども空港を一歩出れば、北海道独特の森と畑の景色がつづく。

「新千歳空港」に降り立つ
「小樽」行きの電車に乗り込む
「JR琴似駅」に到着する

 今日と明日、宿泊でお世話になるのは札幌「琴似(ことに)」に住む母の姉夫婦宅である。夫婦共に目が不自由で今は隠居生活をしている。この旅の2週間前に連絡し、宿泊を快諾してくれた。約7年ぶりの対面となり少し照れくさい。都合の良いときだけ連絡をする自分を笑顔で迎えてくれるか、多少の不安があった。「JR札幌」から「JR琴似」まではわずか2駅、5分程度だ。駅を降りあらかじめ教えてもらっていた道順をたどる。叔母のマンションはすぐに見つけることができた。ドアを開けると懐かしい顔が見える。2人とも笑顔で歓迎してくれた。どうやら不安は杞憂であったようだ。懐かしい話や最近の出来事で話が弾み、あっという間に時間は過ぎてしまった。期待していた夕食にもありつけ、結局この日は0時を過ぎるまで歓談が続いた。

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