昨晩ユースホステルに泊まったのは男性は自分一人、女性3人であった。夕食後、食堂でそれぞれの今までの旅の行程や明日の予定を話し合う。1人をのぞいて皆関東から来ているそうだ。ここでは礼文島の宿、温泉の情報を仕入れることができた。
起床後、たまった電子メールの処理をし、チェックアウトの時間まで時間をつぶす。明日の宿泊のために予定をしていた礼文島の”とほ宿”「星観荘」に電話をしてみるが、礼文島の「花まつり」の時期に重なっているため既に予約で埋まっているとのこと。一足遅かったようだ。ちなみに「とほ宿」とは男女別合い部屋制でユースホステル(YH)と同じ雰囲気を持ち安価な料金で利用できる旅人の宿である。オーナーは元YH経営者が多く、比較的YHホステルよりも規律は緩い。特に北海道に多く点在し、今回は数回の利用を計画している。仕方なく手持ちの資料で他の宿を探す。礼文島の安宿でそこそこの設備があるところは自然と限られてくる。「桃岩荘YH」が有名だがここだけは敬遠していた。旗を振って歌を歌いながら歓送迎するのから始まり、夜にはかなりにぎやかなミーティングをする事で有名だ。この雰囲気には合う人と合わない人がはっきりと分かれるらしい。礼文島の野宿は1日程度にしたいので、桃岩荘に予約を入れておく。明日はかなりテンションを上げなければならないだろう。
9時半YHを出発。真っ直ぐフェリーターミナルに向かう。礼文島行きのチケットを購入し、乗船手続きを済ます。クィーン宗谷、二等室乗船券2,100円。10時50分稚内出航。2等客船でWebページの文章をまとめていると、昨日YHで一緒になったご婦人と、たまたま同じフロアで出会う。ここでも宿等の情報を交換し、時間をつぶすことができた。天気が悪く船はかなり揺れたが、電子メールの処理が忙しく酔っている暇はなかった。
約2時間で礼文島「香深(かふか)港」到着。港には噂通り、桃岩荘YHの方が大きな旗を振っていた。
ちょうど昼を迎えたのであらかじめ調べておいた食堂とキャンプ場の場所を観光案内センターで確認する。礼文といえばやはり「ウニ丼」だ。郷土料理の店「酒壷」で昼食とする。懐が寂しいので量が半分の「ウニ丼ハーフ」を注文。やはり本場のウニの味はひと味違う。ご飯だけお代わりし、大盛りのウニ丼気分を満喫した。
満腹になったのでキャンプ場へ移動する。今日の野宿地は香深井(かふかい)にある「緑ヶ岡公園キャンプ場」だ。観光案内センターの話では徒歩で1時間20分かかると聞いている。残念なことにまた雨の中の移動だ。島の海岸線に沿って潮の香りの中を進む。
無事案内通りの時間で到着。小さなキャンプ場だが10張り以上のテントがすでに設営されていた。他のキャンパーに挨拶をし、わずかのスペースにテントを設営する。移動中はそうでもなかったがテント内でじっとしていると露出した肌が寒い。さすがに最北端の島だけあり冷え込みは厳しい。
今日の残りの時間は野鳥の鳴き声を聞きながら、のんびりと時間をすごすことにした。
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